徳島大学?高知大学?香川大学との共同開催で
(SPOD開放プログラム)「授業について考えるランチセミナー」<授業へのAIの活用>が開催されました。
ご参加いただいた皆さま、大変ありがとうございました。
■開催日時
第1回 2025年12月11日(木)12:05~12:50
第2回 2025年12月18日(木)12:05~12:50
■参加者
第1回 12月11日
115名(Zoomによるオンライン)
第2回 12月18日
104名(Zoomによるオンライン)
■コーディネーター?講師?登壇者
コーディネーター: 吉田 博(徳島大学高等教育研究センター)
第1回 12月11日
講師: 田巻 公貴(徳島大学高等教育研究センター)
第2回 12月18日
講師: 田巻 公貴(徳島大学高等教育研究センター)
■内容
第1回
第1回では生成AIの中でもChatGPTに代表される文章を生成するAIに焦点をあて、生成AIの仕組みや活用方法について講師から解説が行われた。
まず、生成AIは学習したデータをもとに確率的に推論して文章を出力する仕組みであり、そのため生成AIを教育において扱う際には「機密情報?個人情報の漏洩」「誤情報?ハルシネーション」「バイアスと著作権」の3つに注意することが必要であることが説明された。
さらに講師からは生成AIはその仕組みから「完成品」ではなくアイデア出しや要約等「素材」を作ることが得意であることをふまえ、生成AIを教育で活用する際は「アシスタント」として位置付けることが提案された。すなわち、教員にとっては「授業設計?教材のアイデア出し」や「課題作成」、「評価基準およびフィードバックの補助」、また学生にとっては「理解の支援」「表現や技能の支援」「考えの確認、振り返りの支援」として用いることで生成AIを有効に活用することで授業や学習をより効率的?効果的なものにすることが示唆された。一方で生成AIを使用する際には利用範囲の線引きが必要であり、最終的な授業や学習、課題については教員や学生が責任を持つようにすることが重要であることが示された。
さらに、実際に生成AIを用いて文章を出力する際によりよい結果を出すために、命令文である「プロンプト」を工夫すること、ならびに工夫すべきポイントが紹介された。生成AIの出力はプロンプトによって大きく変わるため、意図した結果を導くには以下の4要素を明確にすることが望ましいとされていることが示された。すなわち、生成AIに担わせる「役割」を定義すること、何をしてほしいのかを具体的に「指示」すること、相手や前提条件等といった「背景」を提供すること、文字数や構造といった出力の「形式」を指定することである。加えて、例示や目的の分割、出力結果をふまえて追加の指示をする、入力の工夫を行うといった追加の要素についても紹介された
その後、参加者から寄せられた質問について質疑応答が行われた。
第2回
第2回では、まず前回寄せられた質問について引き続き回答がなされた後、「AIリテラシー」を中心に講師から解説が行われた。
AIリテラシーはこれからの生成AIが一般化した社会において必要なリテラシーであり、近年になって多くの機関?研究者によって提言がなされている。その中でも今回は講師からOECDによる一般市民が身につけるAIリテラシー、ならびにUNESCOによる教師および学習者が身につけるAIリテラシーについて紹介がなされた。
まずOECDではAIリテラシーを「AIが影響する世界で生きるために必要な技術知識?持続的スキル?将来志向の態度を表す」(https://ailiteracyframework.org/wp-content/uploads/2025/05/AILitFramework_ReviewDraft.pdf)という定義が紹介された。この中では”Engaging AI(AIと関わる)”、”Creating with AI(AIで創る)”、”Managing AI(AIを使う)”、”Designing AI(AIを計画する)の4領域?22コンピテンシーが設定されている。
続いてUNESCOによる、5領域3段階からなる教師が身につけるAIコンピテンシー(https://www.unesco.org/en/articles/ai-competency-framework-teachers)が紹介された。すなわち、「人間中心のマインドセット」「AIの倫理」「AIの基礎と応用」「AIを活用する指導方略」「専門性開発のためのAI」の5領域について、それぞれ「習得」「深化」「創造」の3段階からとらえるものである。一方で学習者が身につけるAIコンピテンシー(https://unesdoc.unesco.org/ark:/48223/pf0000391105)は4領域3段階であり、「人間中心のマインドセット」「AIの倫理」「AIの基礎と応用」「AIシステムの設計」について「理解」「適用」「創造」の3段階が設定されている。さらに、これらのAIリテラシーのための教材として”aiEDU Japan(https://aiedu.jp/)”の取り組みが紹介された。
セミナーの最後では文章だけでなく音楽や動画等を出力できる様々な生成AIと授業での活用に向けたアイデアが講師から紹介されるとともに、セミナーを通じて参加者から寄せられた質問への回答が行われた。
■成果と課題
参加者アンケートを行った結果、「5. 本セミナーは今後の教育活動において有益なものであった」という設問において、第1回、第2回ともにほとんどの回答者から肯定的な回答(「とても当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」の合計)を得ることができた。とくに第1回では、すべての回答者から肯定な回答が得られた。また、他の設問においても同様におおむね肯定的な回答が得られた。
| 第1回(2月13日) | 第2回(2月20日) | |
|---|---|---|
| とても当てはまる |
26 (76.5%) |
24(72.7%) |
| どちらかといえば当てはまる | 8 (23.5%) | 8 (24.2%) |
| どちらかといえば当てはまらない | 0 (0%) | 1 (3.0%) |
| まったく当てはまらない | 0 (0%) | 0 (0%) |
| 合 計 |
34 (100%) |
33 (100%) |
※その他のアンケート項目の結果はグラフを参照。
自由記述においては、「生成AIについて基本的な知識を得られた」というものから、「生成AIの種類やそれぞれの強みについて知ることができた」「授業でどのように活用できるか(あるいは注意すべき点)についてヒントを得られた」旨の内容、さらには「具体的にどのようなプロンプトを作成すればよいか知ることができた」「といったコメントが寄せられた。このことは、参加者の間でも生成AIに関する知識に幅があり、かつそれらの幅広い参加者層にとって今回のセミナーが有意義であったことを示すものであるといえる。一方で、「具体的な活用事例を紹介してほしい」「実際に生成AIを活用する演習の時間を設けてほしい」、あるいは「2回では時間が不足していると感じたため、もっと焦点を絞ってセミナーを実施してほしい」といった希望や改善点も寄せられた。
今月は「授業について考えるランチセミナー」が始まって以来初めて100名以上の参加者数を記録した。このことは、いかに教職員にとって生成AIが大きな関心となっているかということを示すものである。自由記述において寄せられた希望や改善点についても、教職員がまさに今直面しているニーズを示したものと言える。したがって、今後はこれらのニーズをふまえ、生成AIについて継続的にセミナーを実施していくことが求められる。
第1回 (n=34)

第2回 (n=33)
■セミナーの模様(アーカイブ動画より抜粋)
ご不明な点などございましたら、下記アドレスもしくは、電話でお問合せください。
教育支援課教育企画係 メール:kykikakuk@tokushima-u.ac.jp
電 話:088-656-7686 内線(82)7125
徳島大学全学FD推進事業も紹介していますのでぜひご覧ください!
http://www.tokushima-u.ac.jp/highedu/reform/

